「不動産屋は高齢者を相手にしてくれない」という話

今年の繁忙期(年末~3月末)は周辺の売買も賃貸も動きが少なかったのですが・・・4月中盤~GW前はオニのように急に忙しくなりました。

GW前に売却したい、買いたいというようなお話もあるんでしょうね。

桜が散り始めると、焦り始めるというようなバイオリズムがあるんでしょうか??

 

この業界あるあるですが・・・

数か月募集を出していても全く反響無かった物件でも同時に3件とか申込があったりします。同時に反響をいただきますので、現実には皆様が満足いただけるような対応が難しいです。

 

賃貸の場合は特に速度が速いです。

当たり前ですが、割安な物件ほど早く決まってしまいます。

「スピード勝負」なんですね。

業者さんからは、物件の内容について電話で質問がきますが、凄いスピードで話すので慣れていないと聞き取れないレベルで、もたもたしてると電話をガチャ切りされます。まあ、そのくらいスピード勝負なんです。

 

また、結果的に1つの物件を取り合う「椅子取りゲーム」のような状況になって、金額が大きいと揉め事になったり、裏でなんとかしようと画策するお客様がいたり、正直疲れます。。。

もう少し、タイミングをずらしていただけると助かるのですが・・・

 

先日、ご案内中の車内で、不動産の買い替えを検討中の高齢のお客様から・・・

「近所の方から不動産屋は高齢者を相手にしてくれない」という話を聞いたとお話をいただきました。

 

私もこの日は疲れていたこともあって、あまり考えずにストレートに伝えてしまったのですが・・・

「そうですね。相手にしない傾向が最近ありますよ。」

「特に賃貸は45歳超えると相手にしてくれない会社もあるほどです。私もそろそろヤバいですね。ハハハ」

「最近は賃貸物件ではスマホを使いこなせない人を相手にしないケースが多いんですよ。」

「高齢者を相手にしていると時間がかかりすぎますからね。」

「物件をだれに貸しても同じ手数料なので、当然簡単な方が良いですよね」

「特に賃貸は酷いものです。最近は特に。」

「すべて電子申込・電子契約を求められる会社が増えてきています。」

「高齢者にできるわけないですよね。ハハハ」

 

そしたらお客様は・・・

「ホントだったんだ~」って。

ちょっとショックをうけていたご様子でした。

 

この会話を振り返って気づいたのは、不動産業界で高齢者は相手にされないのは「必然」なのかなという事です。

物件に対して手数料は一律。だれに仲介しても同じ。ならば・・・スピード・効率重視!

物件探しは「椅子取りゲーム」。成功報酬だから椅子に座らせられなければ業者は利益0円・・・むしろマイナス。

椅子取りゲームで時間と手間をかけたら・・・必然的に椅子は取れないですよね。

 

不動産業界ではスピードと効率が求められるため、高齢の方が物件探しをする際には難しさを感じることがあります。

近年、電子契約の普及が進み、手続きがスムーズになる一方で、使い慣れない方にとっては少しハードルが高い場面もありますね。

業者の方々も、できる限り丁寧な対応を心がけていますが、物件の取り合いが発生する中で、お客様全員の希望に応じるのが難しいこともあります。

このような現状を踏まえると、時間や手間に応じた報酬の仕組みが整えば、より柔軟な対応が可能になるかもしれません。

業界のルールを見直すことで、お互いにとって良い形が生まれる可能性がありますね。